himicoworker’s diary

Facebookにて投稿していました「お散歩で紐解く邪馬台国」をこちらで公開いたします。

卑弥呼さんが「魏志倭人伝」に「いいね!」しました(1)より

 

出張から帰ってくるなり、居間にも立ち寄らず直ぐにお風呂に入ってしまった。

玄関には潮風に当たって色あせたバッグと、お土産らしき袋が無造作に置かれたままである。

髪をだいたい乾かしたあたりで、もう我慢ならんとばかり、冷蔵庫で冷やしてあったビールをあけて、ぐいっと一杯。

彼女はこの度の長旅について語りはじめた。

 

倭人っちゅうと帯方郡の東南の大海のあたりにいてはるやろ。

山だらけの島に国やら村やらを作ってはんねん。昔は100くらいの国があったらしいわ。

漢の時代には公式に訪問しはった人もおったらしいで。今は通訳通じるところが30ヶ国あんのかな。

郡から倭に行くんやったら、海岸に沿うて海を移動して、こうびゅーーっと韓国通るやろ。

ほんで南とか東とかにばーーーっと行くと、その北岸らへんの狗邪韓国に、7,000里くらいで着くわ。

ほんで海いっこ渡って1,000里くらいびゃっと行ったら、対海国やな。

そこのいっちゃん偉い役人さんは卑狗ってゆうて、二番目の役人さんが卑奴母離ってゆうねんて。

いてはるところは離れ島で、400里四方くらいどーんと広いんやて。

土地は山がめっちゃ険しいのと深い林がめっちゃ多いんやって。

道路は小動物とかシカとかが通る感じの小道になっとんねん。

ええ田畑はあんましなくて、海のもん食べて自活してはんねんな。

船乗って南北に売ったり買ったりしに行きはるわ。」

 

つづく

 

〜〜〜〜〜

第一弾 摂津弁

翻訳:まっさん

 

早いもので邪馬台国シリーズからひと月も経っていました。

最後に私がやりたかったこと、それは三国志の魏書の烏丸鮮卑東夷伝倭人の条、いわゆる「魏志倭人伝」の現代語訳です。

なるべく古代史に詳しくない人にも分かりやすく、面白く、身近に感じてほしいという想いで、各地の言葉、方言での翻訳をすることにしました。

2000文字の漢文ですので、14回くらいのシリーズになる見込みです。

 

まず第一弾は古代ゼミのみなさん推薦、生粋の大阪人まっさんに翻訳して頂きました。

感謝!拍手!勢いがあって素敵です!

(2017年10月6日)

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